掃いて棄てる

自己による自己分析は留まることを知らないことに気付くのも結局自己でしかないのだという薄っぺらな言葉を紡ぐのすら自己。
自己に一番漸近する他人が恋人と呼ばれるのではないのかという幻想を描く自己もあった。
あらゆる方向から魅力的に描かれる恋人という存在を定常的なものとして側に置くことができない人々が自己だけでなく沢山いるという噂に何を見出だすべきなのだろうか。
自己の絶対なる肯定者として燦々たる地位から揺らぐことないような自己である。自己の文脈によりのみ生かされ、自己の文脈にのみ完結しようとする。そこを底辺としてあらゆる負の要素が手を繋ぎ自己を繕い続ける人生。そこからしか見えないものが見える見栄すら長持ちはしないだろう。
嫌なことに遠ざかれば

ああ一番
秋を巡っていたい