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オーストラリアでは、ゾンビ化した警察官に会ったら殺されるしかない? - 毎日ムキムキ

また、ゲームを見下した考え方でもある。そもそも、ゲームの意図というものを理解していない。「Call of Duty」シリーズはテロリストが虐殺をするのを良しとするゲームではなく、戦争の一場面を描いている作品だ。現代戦においてのテロというものは一大問題であり、現代戦を描くのならば触れなければならない事実である。そして、このような虐殺の痛みは必ず世界のどこかにあることだということを、このゲームでは伝えようとしているのかもしれない。そうであれば、その意図をまったく無視した作りになっている。痛みがあることを伝えようとしているのに、そこを抑えてしまってはプレイヤーは痛みを知ることを止めてしまう。

現実の倫理をゲームに持ち込むということは、つまりゲームは現実の延長上と考えられているのである。それを逆に考えれば、ゲームで規制されたことは現実でもそうあるべき、という考えにいたる。そしてこの規制を言い換えれば、「警察が人に危害を加えるようなことになった場合であっても、警察官に逆らってはならない」という理屈が現実で成立するだろう。

ゲームと現実の区別がついていないから、こんなむちゃくちゃな理屈が通用してしまう。そして、ゲームを見下して、とにかく悪いと思われる要素を規制しようとするから、規制することについての論が立たない。


 少なくとも今日紹介した2つの規制は、本当に規制をするつもりでやったのならば、考えのない人のやることだ。規制することの意味がちゃんと成っていないし、その上プレイヤーや開発者に不快感と余計な作業を与えるだけの規制だ。ゲームを規制しようと思うのならば、まず現実に目を向けて、さらにゲームをもっと知るべきだ。